時間医学とこころの時計

時間医学とこころの時計 心身ともに老化を遅らせ、健康に導く

東京女子医科大学名誉教授 大塚邦明

定価
2530円(税込)
サイズ
46判上製 232頁
ISBN
9784860294380
発売日
2015年10月16日

内容紹介

病気も、薬も、生体リズムに影響される
『時間医学』の第一人者が地球・宇宙のリズムに同調するからだとこころの神秘を解き明かす待望の1冊!
超高齢化時代に、上手に老いと向き合うヒントが満載

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目次

はじめに からだを守る「三つの時計」
宇宙のリズムをコピーした「体内時計」
もう一つあったからだの時計、「腹時計」
リトルブレインとも呼ばれる三つ目の時計、「こころの時計」

第1章.人の生命(いのち)を支える多重なリズム
生まれるに時あり、死するに時あり
夕食は午後七時が最適
心筋梗塞、脳梗塞は朝におこりやすい
病気を防ぐからだのリズム
薬の効果は時間帯によって違う
生体リズムを紡ぐ体内時計
人の体内時計は25時間
生活リズムが崩れるとがんに罹りやすい
カオスからリズムを生み出す時計遺伝子ネットワーク

第2章.こころの時計が育むこころの世界
こころの時間とは何か
こころの時計とは何か
幸福感と深く関わる、こころの時計
未来が過去を変える?
孤独な人は免疫力が四倍も低下する
恋する人は病気になりにくい
リスクを予測する、こころの時計
子どもの時間と老人の時間
認知症の人の時空
もの忘れを改善する、こころの時計

第3章.こころは何処にあるのか?
(1)こころは脳にある?
(2)こころは心臓にある?
(3)心臓移植を受けた人のこころ
(4)脳死を人の死と判定することは正しい?
(5)それともこころは体の外にある?
(6)「リトルブレイン」こそ、こころの棲み家

 第4章.時間医学の視点からみた生命倫理学(クロノバイオエシクス)
(1)人間の寿命を支配する体内時計
時間という不思議な概念
時間観と死生観  
(2)地球生態系の多重なリズム
90分のリズム
3.5日と7日のリズム
1か月のリズム
リチャードソンの1.3年のリズム
太陽のリズムと生命活動のリズム
地震のリズムと資本主義経済の波
文化的活動にみられる500年の周期 
(3)生命とは何か
人間の意味論……人とは何か
(4)時間生命倫理学(クロノバイオエシクス)とは

第5章.スピリチュアルな世界を考える
(1)数理科学が表現するスピリチュアルな世界
(2)からだの時計に秘められたカオスの世界
(3)キリストにみるスピリチュアリテイ
(4)ソクラテス/プラトンとデカルトが思索した魂の不死
(5)万葉人の宇宙観と死生観
(6)臨死体験が語るスピリチュアルな世界 
(7)非科学的ではない魂の(霊的な)世界

第6章.こころはなぜ、いつ生まれたのか?
1)人類の誕生、進化と、出アフリカの試み
人類の誕生
人類の出産
脳の成長
(2)出アフリカを試みるための順応と適応
出アフリカ 
脳の進化とこころの発達
(3)高所環境への挑戦…高所に住むための適応と習熟
平地よりも明瞭な生体リズム
高所低酸素環境での体内時計 
(4)亜北極圏に棲むために試みた人類の秘策
磁気を感知する生物
人が磁気を感知できない理由
地磁気を感知する時計遺伝子
亜北極圏に住む人々は磁気を感じる?
人が磁気を受容する仕組み
  人の第六感
(5)眠らない街に住むことの弊害と適応
眠らない社会がつくりだす生体リズムの不調
 過重勤務や交替制勤務のリスク
生体リズムを回復するための三つの工夫
今こそ必要とされる時間を考慮した医学
(6)宇宙空間への人類の挑戦
宇宙飛行を終えて帰還したら老人に?
宇宙空間での時間(とき)の流れ 
長期宇宙滞在時の生体リズム
心臓や脳を護るための仕組みが乱れる宇宙空間での生活
(7)死後の世界(を共有すること)への挑戦
死を迎えることの意味とは?
啄木がみた亡霊
医師が説く死後の世界の存在

コラム 生体リズムについての10の質問
おわりに