伝わらない、認めてもらえない、壁にぶつかった、ついていけない、不安、なぜ?……考えすぎて悩み、立ち止まっていませんか?

仕事をしていれば、必ずぶつかる壁。問題なのは壁にぶつかってからどう動くか。問題に直面しながらも「走りながら考える」ことこそ壁を突き破る「突破力」となり、現状を好転させます。

行動→経験→自信→行動……の好循環サイクルの作り方が分かる!

好循環サイクルの起点は「行動」。行動が次の行動を生み、時に失敗をしながらも、経験値を積み上げていく。小さな成功が自信となり、雪だるま式に大きな自信へ…。具体的な30のケースに熱く的確な回答が示されているので、読むだけで好循環サイクルが身体感覚で身につきます。

著者・齋藤孝からのメッセージ

現代の日本では理論が先走り過ぎて、がんじがらめになっている人が多いと感じます。『声に出して読みたい日本語』も切り離されがちな理論と身体(行動)を結びつけ、国語教育の中でも生かして欲しいとの思いから書いたものです。
今回、上梓することとなった『突破力!』は、ビジネスの世界でも同様であると考え執筆しました。
MBAなどの理論だけでは、ビジネスはうまく回りません。どういうスタンスで仕事に望むのかという姿勢も重要です。大切なのは、頭で「理解」するだけではなく、実際に行動を起こして、それを「実践」できるかどうかということです。
私も30代に壁にぶつかり鬱屈としていた時期がありますが、「突破力」で状況を打開してきました。就活生・20代のビジネスパーソンからマンネリや伸び悩んでいると感じるベテランの方々にまでお役に立てる内容だと思います。

本書の目次

第1章 走り出せ。道は拓かれる 行動し経験を重ねることで「交渉力」を身につける。

  • Case 01 入りたい会社が見つからない。就活、もうやめちゃおうかな……。
  • Case 02 企画には自信があるのに認めてもらえない。もう、心が折れちゃいそう。
  • Case 03 安定した企業か、やりたい仕事ができる企業か、どっちがいいんだろう?
  • Case 04 「やる気が大事」というけど、どうしたら僕のやる気が伝わるの?
  • Case 05 口ベタでいつも損してる。相手に負けない方法はないのかな?
  • Case 06 自分に合った部署へ移りたいけど、うまくいくか不安だなあ。

第2章 経験は、社会を走るための羅針盤 「これぐらいでいいだろう」が乗り越えられないカベを作る。

  • Case 07 まだ若いんだし、経験不足を言われても困っちゃうよ。
  • Case 08 こんな仕事、しんどいばかり。将来、ホントに役に立つの?
  • Case 09 現状に満足はしてないけど、無理して苦労は買いたくないわ。
  • Case 10 全力で5年間頑張った。でも最近、ちょっとカベを感じちゃう。
  • Case 11 仕事と子育ては上手くやってきた。でもこれからは不安……。
  • Case 12 うちの会社、なんでこんなにみんなバラバラでチームワークが悪いんだろ。

第3章 走れば、チャンスに巡り合う 自分の特長を把握して独自の「型」を持つ。

  • Case 13 いまの仕事、俺には向いてないかも。でも一からやり直すのも大変だし。
  • Case 14 何が得意なのって聞かれても、そんなの自分じゃよくわからない。
  • Case 15 転職すると、そこは未知の世界。後戻りできないのが怖い……。
  • Case 16 安定は大事。でもこのまま同じ会社で同じ仕事してていいのかな。
  • Case 17 正社員になるチャンスが来たのに、用意不足で逃がしてしまった。
  • Case 18 いいところまで商談がいくんだけど、最後の最後でダメになるのはなぜ?

第4章 走れば、好循環が生まれる 立ち止まるのではなく、動きながら修正する。

  • Case 19 今日一日がうまくいけばいいや。でもこれじゃ、次につながらないよね。
  • Case 20 アタマで考えたことって、いざ現場に出るとうまく活かせないのよね。
  • Case 21 会社が海外移転。世の中の変化が速すぎて、ついていけないよ。
  • Case 22 こんな予算と時間で、満足できる仕事なんてとてもじゃないけどできない。
  • Case 23 決心して資格の勉強を始めたけど、なかなか進まなくて挫折しそう。
  • Case 24 新しい同僚とうまくいかない。こっちに問題があるのかなあ。

第5章 自分を信じて、走り続ける 責任から逃げずにあえてリスクを取る。

  • Case 25 調べれば調べるほど、失敗するんじゃないかと思えてくる。
  • Case 26 「結果に責任を持て」なんて言われると、腰が引けちゃうよね。
  • Case 27 こんな不景気な時代、自分だけ頑張っても何も変わらないじゃん。
  • Case 28 もう疲れちゃった。少し休んで充電すれば、新しいアイデアも出てくるかな。
  • Case 29 苦労して資格を取った。しばらくは余裕を持っていてもいいかな。
  • Case 30 このままだとジリ貧なのに、誰も変化を望まない。うちの職場、終わってる。

読者の声

変化を怖がっては、未来はない?

社会がすごいスピードで変化していく時代。立ち止まっていては、あっという間に取り残されてしまう。74ページの「同じ環境でぬくぬくと過ごすことを戒めなければならない」というフレーズは効いた~。

By 京太郎(東京都世田谷区)

「読みやすい」の一言

文章量はやや物足りないが、それだけ読みやすく内容もさまざまな事例が出ていてそれなりに濃い。活字が苦手な人や初心者向けの啓発本だと思う。

By イシミヤ(東京都西東京市)

行動の力を再認識

心の中であれこれ考えがちだが、悩んだり迷ったりは、あとで考えれば時間の無駄だったということが多い。準備は必要だが、そのあとの行動こそ世の中を動かす。うーん、準備までで終わってしまいがちな自分を反省!

By 匿名希望(静岡県沼津市)

就活生にお勧め

就活で燃え尽きたあとにこの本を読んで、闘魂注入されました!就職本ではないが、社会に出てからの心構えや、経験を積むことの意義が具体的な例を引用して書かれているので腹に落ちます。

By NumaNuma(埼玉県春日部市)

精神論?ではないが…

読むと元気が出る内容には違いないが、やや精神論のように感じる部分もある。具体的なケースへのアドバイスなので、もう少し具体的な解決策が欲しいところ。もっとも、それくらいは自分で考えろということか。

By トーシロー(栃木県宇都宮市)

大切なのは、論より行動

日本の政治状況を見ても、理想ばかりでは立ちいかなくなっている。そんな空気にうまくフィットした一冊。政治家もやっぱり行動力と突破力のある人が求められられていますし。

By メイ(大阪府堺市)

考えてから「走る=行動する」のではなく、走りながら考える。それが、壁に突き当たった時の突破力になる。行動を起こすことで得られる大きなメリット、「行動→経験→自信…」というプラスのサイクルに入れば、経験値が積み上げられ、次々に湧いてくる問題にも柔軟に対処できるようになる!
悩みや迷いを抱えた時、人は立ち止まって考え込みがちだが、そんな時こそダイナミックに行動を起こすことが肝心。修正は行動しながらでもできる。まず、勇気をもって一歩踏み出すことの重要性が、30の具体的な悩みに応える形で示されています。

『突破力! 走りながら考えろ。』 齋藤 孝 著

定価:1,260円(税込)

四六判変形/並製/208ページ
発売日:2012.04.20
ISBN:978-4-86029-363-5

電子版

定価:840円(税込)

販売開始日:2012.05.10

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齋藤先生がお勧めする 突破力を高めるためのもう1冊

突破力を高めるには、本書にも書いた通り、第一に行動を起こすことです。しかし、闇雲に行動を起こすだけでは、つまずいたり、挫けたりする確率が高くなります。もちろん、失敗からたくさんのことを学べばよいのですが、不要な失敗で落ち込む必要もないでしょう。
私が多くの著書の中でページを割いてお勧めしているように、読書は知識と知恵が身につくうえに、普通は経験できないようなことの疑似体験もできます。ある意味で、読書も行動です。ここでは、自著を含めた「突破力を高めるもう1冊」を紹介します。

『就職力』毎日新聞社
齋藤孝 著 / 1470円(税込)

『突破力!』の中でも、いくつかの就活に関する悩みに答えた。就活力とは、つまるところ「人間力」のことだ。不透明な経済状況の中、この混沌とした時代をむしろチャンスととらえ、若々しく「成熟」した大人になる。全編、自分の努力と意志によって優良企業との出会いを引き寄せるコツを具体的に示している。

『座右のニーチェ』光文社新書
齋藤孝 著 / 777円(税込)

サブタイトルは、「突破力が身につく本」。ニーチェの思想・言葉は、常識にとらわれず、型破りで孤高。現代の迷いを抱えた人がその言葉に触れれば大きなショックを受けるだろう。ニーチェの言葉には閉塞感を打破するさまざまな刺激的要素が満ちあふれている。頭で理解するのではなく、肉体性を持って読んでほしい。

『現代語訳 福翁自伝』ちくま新書
齋藤孝 訳 / 819円(税込)

近代日本の最大の啓蒙思想家・福沢諭吉の自伝からエッセンスがつまった箇所を選んで現代語訳したもの。現在はあまり読まれていない「福翁自伝」だが、私は個人的に日本の名著ベスト3に選びたいほど面白いと思う。下級武士出身であった福沢が「適塾」で切磋琢磨して楽しみながら学んだ姿に感化されるだろう。

『論語と算盤』ちくま新書
渋沢栄一 著 / 840円(税込)

震災後、理想のリーダー像として渋沢栄一が注目されている。この本は、渋沢が心の支柱、信念の核に『論語』を置き、どう論語を勉強して読み解き、実業の道に生かしたかが書かれている。先人の知恵に学ぶ心のしなやかさと、ブレのなさ。肚を決めることで、決断力や行動に踏み出す時の支えになることが納得できるだろう。

『スイッチ・オンの生き方』致知出版社
村上和雄 著 / 1260円(税込)

筑波大学名誉教授の著者は、遺伝子研究の権威。人間の遺伝子は99.5%同じだが、能力に差が出るのは、個々の遺伝子をどれだけ「スイッチ・オン」の状態にしているかによるという。その仕方の一つが一流の人と触れ合うこと。どの道であれ、一流と呼ばれる人から学べることは多い。実際に会えなくても、読書でエッセンスを取り込むこともできる。