加登屋のメモと写真…: 2010年6月アーカイブ
加登屋のメモと写真…
2010年6月アーカイブ

佐治晴夫さん、堤未果さんを囲んで

清流出版 (2010年6月28日 12:10)

佐治晴夫さん、堤実果さんを囲んで.jpg

 左前から堤未果さんと佐治晴夫さん

 ・本欄に何回も登場いただいた新進気鋭のジャーナリスト堤未果さん(前列左)の対談本の企画を進めている。一人目の対談相手として素晴らしい方を選んでくれた。佐治晴夫さん(前列中央)である。理学博士で理論物理学と宇宙物理学が専門という。現在は鈴鹿短期大学学長の要職にありながら、大阪音楽大学客員教授と玉川大学客員教授を兼務し、超多忙の身である。昭和10年生まれというから後期高齢者に該当する75歳だが、どう見ても60代前半にしか見えない。数々の研究、発言、発想、行動も若々しさに満ち溢れている。「行動する学者」の典型だと感じた。この日の対談は、堤未果さんがジャーナリストの本領を発揮し、和気藹々とした中にも時に鋭い突っ込みもあり、よい対談となった。

・佐治さんの研究で有名なのが、1/fゆらぎ理論である。ゆらぎ研究会を主宰し、数学、物理、美学を融合させ、学際的新分野の「数理芸術学」を提唱された。かつて僕は、龍角散の故・藤井康男社長の本を手がけたことがある。藤井さんのご家族は、弦楽四重奏をファミリーでしばしば演奏され、1/fゆらぎ理論を実感されていた。この藤井さんの本で僕が1/fゆらぎ理論をいち早く紹介しているのも不思議な暗合で嬉しかった。また、佐治さんは無からの宇宙創成の理論やNASA(米航空宇宙局)によるボイジャーのゴールデンレコードにバッハのプレリュードの収録を提案した話が有名である。2010年6月23日、日本の小惑星探査機「はやぶさ」は、地球から3億キロ彼方の小惑星「イトカワ」へのタッチダウンを果たし、数々のトラブルで満身創痍になりながらも、奇跡的に地球に戻ってきた。この話をされているとき、佐治さんは思わず涙声になった。小惑星「イトカワ」、探査機「はやぶさ」というそれぞれの名称は、日本宇宙開発の父である故糸川英夫博士にちなんだもの。「はやぶさ」を開発した母体の組織が以前、「イトカワ」先生がいた東大の生産技術研究所だったこと、それに加えて、第二次世界大戦で活躍した陸軍の名戦闘機「隼」の設計者が糸川先生だったことによる。僕もかつて糸川英夫先生の単行本を作ったことがあり、よく六本木のオフィスをお訪ねした。チェロを弾きバレエにも挑戦していた糸川先生。お忙しい身である先生は食事らしい食事をとらず、いつもアンパンやコッペパンで済ましていたことも印象に残っている。

・佐治さんは糸川先生と同様、趣味も多芸多才で、例えば能楽をたしなみ、国立能楽堂の舞台で「菊慈童」を演じたのをはじめ、各地の能舞台に上っている。また、囃子の大倉流太鼓奏者の大倉正之助さんとしばしばコラボレーションイベントを行なうこともある。つい先頃(2010年4月23日)、お亡くなりになった免疫学者の多田富雄さんも、謡曲を唸り、新作能をお作りになって、同じ趣味の佐治さんとも交友関係にあった。多田さんは9年前に脳梗塞で倒れ、意識回復後、謡曲を自分の脳機能を試すために頭の中で歌ったという。話が変わるが、佐治晴夫さんは自動車のA級ライセンスをお持ちであり、テストコースで時速300キロを超えるスピードをしばしば体験している。スピード狂だった僕もさすがに300キロという経験はなく、アウトバーンで記録した240キロというのがマックス。佐治さんによれば、210キロと280キロ付近に壁があり、280キロを超えると鼻の奥にツーンときな臭い、独特の匂いを感じるという。物理的ではなく、精神的な匂いであるというのも興味深かった。

・詳しい話は省くが、本田宗一郎さんともご交友があり、ホンダの新開発試作車に試乗して意見を求められたこともある。加速性能、エンジン音、ハンドルやブレーキの利き方など、専門家にしかわかり得ないメリット・デメリットを鋭く指摘し、あの本田さんを驚かせたらしい。佐治さんは、飛行機のA級ライセンスも持っており、あのサン=テグジュベリの数々の冒険の中から得た思想・哲学のすべてを作品に訳せるのは、自分しかいないと自負しているという。なぜなら、サン=テグジュベリはパイロットであり、雲中飛行、夜間飛行など飛行が重要なシーンとして登場してくる。この心理描写はパイロットの実体験なしでは分からないらしい。そして最後のサプライズをご披露しよう。なんと佐治さんは、将来の夢として、「神主」の資格をとりたいとおっしゃる。常に新たな挑戦を続ける、この前向きな生き方にも心底感心させられた。

・堤未果さんのもう一人の対談相手が決まっている。脳科学者の茂木健一郎さんだ。佐治さん、茂木さんの素晴らしい学者二人と、どのようなやりとりで単行本に仕上げていくのか、いまからわくわくしている。残念なことに2010年4月9日、未果さんのご尊父「ばばこういち」さんがお亡くなりになった。享年77。合掌! 落ち込むなというほうが無理だが、これからも前進し続けてほしい。お母さまの堤江実さん、夫の川田龍平さんはじめ、未果さんの周りにはまだまだ心強い味方がたくさんおられる。今後とも、大いなるご活躍をお祈りしている。

 

 

堤江実さん、出射茂さん、功刀正行さん

清流出版 (2010年6月21日 13:46)

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・詩人の堤江実さんの作、画家の出射茂さんの絵、農学博士の功刀正行さんが解説――弊社では、この三人の共同作業による絵本「地球いのちの星シリーズ」三部作を刊行した。この絵本が日本書籍出版協会の主催する造本装幀コンクールにおいて、『水のミーシャ』(ブタペスト・クラブ会長のアーヴィン・ラズロ博士のご推薦をいただいた)が“読者推進運動協議会賞”、『風のリーラ』が“ユネスコ・アジア文化センター賞”、『森のフォーレ』が同じく“ユネスコ・アジア文化センター賞”を受賞した。


・シリーズ三部作のスケジュールは毎年一冊ペースで刊行してきた。それらすべてが受賞するというのは極めて稀有なことであり、称えられるべき快挙であろう。受賞をお知らせすると、3人は、ワイン持参でお祝いに駆けつけてきた。美味しいブルーチーズを食べながら杯を重ねた。話も弾んだ。7月10日(土)に東京ビックサイトの第17回東京国際ブックフェア会場で授賞式とパーティが行われる。デザイナーの西山孝司さんと晴れの場に参加するつもりだ。


・もともと、お三方は世界に誇る豪華客船「飛鳥」の講師仲間であり、長期間、生活を共にされた間柄である。阿吽の呼吸で意が通ずる。だからこそ、こうした魅力ある絵本が出来たのだと確信できた。これからは三冊をセットにして、新たに販促を仕掛けたいと思っている。また、バイリンガルの作りになっているので、外国人にも理解が可能だ。すでに韓国からは引き合いがきている。シカゴやフランクフルトなどブックフェアで欧米にも売り込みたいと思っている。世界に雄飛する可能性もある金の卵なのである。

 

 

 

 

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