加登屋のメモと写真…: 2005年9月アーカイブ
加登屋のメモと写真…
2005年9月アーカイブ

宮本高晴さん 中島力さん 堤江実さん

清流出版 (2005年9月 1日 20:17)

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 翻訳者で東京医科大学講師の宮本高晴さん(左)とフリー編集者の高崎俊夫さん(右)。
 翻訳者の宮本高晴さんが、昨年依頼した600ページを超える『ジョン・ヒューストン自伝』をほぼ訳し終えたというので来社された。高崎俊夫さんを通して翻訳依頼をしたもので、高崎さんにはこの本の編集協力もお願いしている。高崎さんと宮本さんは、以前からの知り合いで、映画関係の仕事を一緒にしたこともあるらしい。宮本さんのご経歴だが、早稲田大学大学院文学研究科芸術学科(映画学専攻)修士課程を修了された方である。
 翻訳決断に至ったきっかけは、高崎さんが『ジョン・ヒューストン自伝』を偶然イエナ書店で見つけたことに始まる。同じ頃、宮本さんもイエナ書店でこの原書を買っているというから不思議な暗合に驚く。二人の映画通が揃って認めるこの本が面白くないはずはない。即座に僕はこの翻訳刊行を決断した。
 ジョン・ヒューストンという監督は、大変な教養人である。ヘミングウェイ、サルトル、ロバート・キャパ、トルーマン・カポーティなどとも親交が深かったことでもわかるはずだ。この本を読んでみると、アメリカ映画史というより、むしろ20世紀文化史ともいうべき内容で、大変な力作である。ご両人が惚れ込んだというのも無理はない。
 宮本さんはこれまでにも、映画関連本をかなり翻訳してきている。僕の知っているだけでも、『オーソン・ウェルズ偽自伝』、『チャップリンの愛した女たち』、『スコセッシ オン スコセッシ――私はキャメラの横で死ぬだろう』、『ワイルダーならどうする?――ビリー・ワイルダーとキャメロン・クロウの対話』、『マイ・ファースト・ムービー 私はデビュー作をこうして撮った』など、映画ファンならよく知る話題の翻訳本が多い。早速、宮本さんの訳文を読み始めているが、『ジョン・ヒューストン自伝』への強い思い入れもあり、翻訳にも熱が入っているのが感じ取れる。刊行の暁には、大ブレークが期待できそうな予感がしている。

 

 

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  中島力さん(左から3人目)、永原秀信さん(左から4人目)。
  中島力さんは長くテレビ朝日で名プロデューサーとして活躍された。無名時代の松平健に会って注目し、上層部の大反対を押し切って「暴れん坊将軍」の主演に抜擢したのがこの方だ。黒柳徹子さんをホステス役に、今に続く人気番組「徹子の部屋」を立ち上げたのもこの方である。さらには「西部警察」をプロデュースしたのも中島さんだったと聞けば、確かな人物鑑定眼と抜群の企画力をお持ちの方であることがわかる。
 この日は、仲介者の永原秀信さんと、何本か単行本の企画提案をするために来社された。その一つが対談集の企画だった。実は中島さんは、テレ朝を退職する前、テレビ朝日福祉文化事業団の事務局長を務めていた。その際、多くのお年寄りと接するうち、何か自分でもお手伝いできないだろうかとの思いで雑誌を創刊されるに至ったという。それが介護福祉の専門誌、月刊『高齢社会ジャーナル』である。
 愛妻の女優・白石奈緒美さんと二人三脚でこの雑誌を立ち上げ、十七年間にわたり続けてこられたのには頭が下がる(現在、志を同じくする方が引き継いでいる)。雑誌を続けるのがどんなに大変か、自分も体験しているだけによくわかる。その『高齢社会ジャーナル』の目玉企画として、介護福祉の問題をテーマにゲストを招んで毎号、対談が組まれている。それをまとめて対談集として刊行できないか、というのが提案の趣旨であった。国連の定義によれば、65歳以上の人口が国全体の7%に達すると高齢化社会、14%に達すると《化》がとれて高齢社会と呼ばれるとか。日本は65歳以上の方がすでに19%にも達し、世界に冠たる超高齢社会となっている。緊急性の高い企画として検討してみたいと思っている。

 

 

 

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 堤江実さんは、立教大学文学部英米文学科を卒業後、文化放送に入り、アナウンサーとして活躍された方である。文化放送では、弊社でも本を出させていただいた落合恵子さんの少し先輩に当たるそうだ。
 お会いしてお話してみると、なるほど落ち着いていて澄んだいい声である。現在、著作、講演のほか、自作の詩の朗読コンサートもしておられる。これは「ヒーリングポエム」と呼ばれ、癒しの詩として全国に多くのファンがいるのだという。
 弊社では堤さんに、『ことだまノート』という本を出させていただく予定だ。現在、日本語は乱れに乱れている。尊敬語と謙譲語、丁寧語等の区別もつかない。これらの正しい使い方を知る人など骨董品的な存在になっている。また、妙な言い回しや略語が跋扈し、意味がわからないことがある。ある作家から聞いた話がある。女性編集者から原稿依頼の電話がかかってきた。「チョッパヤで申し訳ありませんが、クケツで原稿をお願いできませんか」と言われたそうだ。この言葉を一体何人の方が、お分かりになるだろうか。要約すると、急ぎの原稿で9月末までにご執筆をお願いできないか、ということになるらしい。女性編集者からの電話だったので、余計驚いたと言っていた。
 堤さんは、そんな日本の言葉づかいの乱れを憂えているお一人だ。日本語の美しさを再認識して欲しいの思いを込めて執筆していただいた。脱稿した原稿は、1日分が言葉と詩でセットになっている。できれば、一日一つずつ、言葉についてのエッセイと詩を楽しんで欲しい。31あるので、1ヶ月で一巡したら、また最初から読み始める。言葉の美しさ、余韻の美しさ、そんな日本語の美しさを再認識していただく本になればと思っている。

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