加登屋のメモと写真…: 2005年8月アーカイブ
加登屋のメモと写真…
2005年8月アーカイブ

写真と日記2005年8月

清流出版 (2005年8月 1日 19:59)

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  血液・循環器系の権威で医者と作家と二足の草鞋を履く石川恭三さん。
 わが社では石川さんの著作をこれまでに三冊刊行してきている。医科大学教授選の暗闘を描いた小説『白い虚像』
、赤ひげ先生のような理想の町医者を描いた小説『陽だまりの診察室』、そして医科大学の教授時代を中心に、患者との交流を書いたエッセイ集『患者さんがくれた宝物――医者が幸せを噛みしめるとき』の三冊である。いずれも、医科大学教授として、医者としての臨床体験に裏打ちされたもので、鋭い人間洞察力が光る好著である。
 実は石川さんのご高名は十五年ほど前、当時八十歳を超えていた岳父から聞いていた。「杏林大学の先生で、とても評判のいい先生がいる。著書も何冊か出している。機会があったら本を書いてもらったらどうか」と、言っていたのだ。まだ僕が清流出版を立ち上げる前の話である。それがこうしてご縁ができて、三冊刊行させていただくことができた。今は亡き岳父への恩返しもできたようで、感無量の心地がしている。
 石川さんは今年で杏林大学病院の定年を迎え、今は週二回だけ勤務医としてある病院に出勤する週休五日制の生活になっている。これからは夫婦で海外旅行を楽しみ、健康のためのエアロビックスを続けながら、執筆活動に専念したいという。書きたいテーマは目白押しということもあり、次々世に問うことになるだろう。
 この日、石川さんから二つの企画提案があった。一つは、「にせ医者」という刺激的なテーマの小説である。この場で詳細を述べるわけにはいかないが、シベリア抑留で衛生兵として応召した男が、シベリアの地で死んだ医師と入れ替わって帰国する、というミステリー的要素も含んだ興味深いテーマ。もう一つは、「からだの歳時記」といったテーマである。季節が移ろいゆくとともに、からだにも変化が起こる。そんなからだの不思議な仕組みを、医者の観点から書いてもらえば面白いものになりそうだ。「定年、万歳!」の境地にある石川さんの今後の筆に期待しよう!

 

 

 

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  筑波大学教授の中川八洋さん(右)とフリーの編集者・松崎之貞さん(左)と。
  僕は長年、稀代の論客として名高い中川八洋さんには注目していた。そんな折、かつて徳間書店の編集局長を務めていた松崎さんから、中川さんの単行本の企画提案があったのだ。渡りに船とはこのこととばかりにすぐにオーケーを出した。
  松崎さんは中川さんの名著『正統の哲学 異端の思想――「人権」「平等」「民主」の禍毒』(徳間書店 1996年)を編集した方だ。今回、わが社から出す本のタイトルは、『福田和也と《魔の思想》――日本呪詛(ポスト・モダン)のテロル文藝』となる予定。当代随一の人気評論家・福田和也氏を、放蕩、虐殺(テロル)、祖国廃滅(ポスト・モダン)の「幻像の文藝」の「危険な思想家」として断じることで、いまわが国を覆っている文芸、思想の潮流を分析し、バッサリと斬る狙いだ。福田氏のほかにも、氏の友人や「師」の、建築家の磯崎新、作家の保田與重郎、哲学者の浅田彰などを俎上に乗せ、「文人・福田和也」の真像をより深く解剖している。
  ここで中川さんの経歴を少し述べておこう。東京大学工学部航空学科宇宙工学コースを卒業し、大学院を修了され、そのあと一転してジャンルを変える。スタンフォード大学大学院で比較政治学を専攻、修士課程を修了し、科学技術庁を経て、1980年より筑波大学助教授、1987年より同大教授になられた。いわば理系から文系に移られたユニークな学者である。
  そんな中川さんが満を持して世に問うのが今回の『福田和也と《魔の思想》――日本呪詛(ポスト・モダン)のテロル文藝』である。いつの間にか、日本のアカデミックな世界をはじめ、ジャーナリズムの第一線に立つ人々が多く依拠するポスト・モダン思想を日本で初めて総括、批判する書として長く記憶に留められ読みつがれる本だと思う。是非、お読みいただきたい。

 

 

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 すでにこのホームページの「お知らせ WHAT'S NEW」欄でも取り上げているが、『宏です。小川です』のサイン会が7月15日と16日の両日、日本橋三越百貨店新館と紀伊國屋書店新宿本店で行なわれた。サイン会場の雰囲気は、小川さんのお人柄からであろうか、ほのぼのと温かいものだった。二日間にわたって、小川宏さん、ご苦労様でした。
 どちらの会場でも一人ひとりと軽妙なやり取りをしながら、丁寧に為書をし、ご自身の名前をサインされていた。小川さんは一時期、自殺を考えるほどのうつ病に悩まされたことがある。その長い闘病生活を乗り越えたお元気な姿を、皆さんに見てもらえて本当によかったと思う。
 僕は15日の日本橋三越百貨店新館のサイン会には伺った。次の16日の紀伊國屋書店新宿本店にはリハビリを予約していた都合上行けなかった。紀伊國屋書店でのサイン会は田辺営業部長、臼井出版部長をはじめ、松原淑子副編集長、長沼里香、秋篠貴子の三人の女性が助っ人に駆けつけ、万事滞りなく済ませたようで安心した。
 これで、わが清流出版のサイン会は都合7回目になる。各書店様のご協力なくして、サイン会は成立できない。今後もしばしばやろうとは思っているが、皆さん、いかが? 小川宏さんの単行本企画と言えば、当初、この本に先立って刊行する予定だった『うつとガンからの生還(仮題)』も、目下、鋭意進行中だ。4月のこの欄でお伝えしたとおり、闘病体験記として一段と内容が濃くなるはず。いい本を刊行して皆さんのお役に立ちたいと思っている。

 

 

 

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 5月の本欄にも登場された百瀬創造教育研究所所長の百瀬昭次さん。
 このときは「水の英知に学ぶ」をテーマに執筆される話をした。その本のタイトルが『なぜ人は毎朝、顔を洗うのか(仮題)』になる(可能性が強い)。「なぜ人は毎朝、歯を磨くのか」ではあんまり面白くないが、このタイトルだと不思議に興味が湧く。いずれにせよあと2ヶ月ほどで刊行となる。乞う、ご期待のほど! 
 さて、本日、百瀬さんが来社されたのは、新企画『龍馬スピリットが日本を救う』を執筆中とのことで、サンプル原稿を持参して藤木君、臼井君、僕に説明された。話を聞くうち、この原稿には「水」のテーマと同じトーンが流れていることに気づいた。教育問題から始まり、変革期にはどのような人物が必要なのか、「水」のこころと行動哲学、人との「出会い」がもたらすもの、「夢」「希望」を大切にする人が拓く未来......。
 百瀬さんが「龍馬スピリット」という根本原理で若い人に向けて使命感を持って「日本の洗濯」をしてもらいたいという気持ちが伝わってくる説明であった。趣旨に賛成した僕としては、世界の海援隊を目指すのを現代人に分かりやすい例――たとえば、大リーグで活躍するイチローの例を出して説明していただきたい、との希望を出すに留めた。坂本龍馬の考え方が現代に甦る。こうした内容の本になろうとは思っていなかった僕としては、期待の一冊である。

 

 

 

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 蒲田耕二さん。約15年前、僕の敬愛する編集の達人・野田穂積さん(株式会社グループ8代表)からご紹介をうけた。その時はフランス語の原書を翻訳していただいた。邦題が『絵画ビジネスのからくり』(シモノ・フィリップ著)で、バブルの絶頂期の絵画ブームに合わせて刊行したもの。その後、間もなく僕は勤務していた出版社を辞めたので、蒲田さんと会う機会もなくなった。
 しかしながら、出版界とは元々狭い世界である。蒲田さんのような腕のいい翻訳者なら引く手あまたである。僕も翻訳者を紹介してほしいという依頼がきて、すぐに蒲田さんのことを思い出した。蒲田さんは英語とフランス語をまるで母国語のように流麗に訳せる方だからだ。今回もわが社からまもなく刊行する『スーパーマンから バットマンまで科学すると――アメリカンコミックス・ヒーロ ーズ』(ロイス・グレッシュ、ロバート・ワインバーグ)を翻訳 していただいた。
 何度かお会いする内に、蒲田さんの方から「シャンソンに興味がありませんか。これまで書き溜めたシャンソンに関する原稿があるので、読んでいただいて、よければ出版してくだされば」との話。藤木君と僕が原稿を拝見したところ、うまくアレンジすれば、いけそうだとの感触があった。僕は、学生の頃から工藤勉、丸山明宏、小海智子、戸川昌子、平野レミ......など、銀巴里に通ってシャンソンに入れ込んだ時期がある。ヌーベル・シャンソンなど、今でも時々聴く。企画がうまく進むことを祈っている。

 

 

 

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 今年の東京国際ブックフェア2005は例年と違う時期(いつもは4月下旬だが、今年は7月7?10日)に開催された。ちょうどわが社では、月刊誌の下版スケジュールの真っ只中に当たり、ほとんどの社員は動けない。編集陣を代表して臼井出版部長と僕とで3時間あまりの駆け足で覗いてきた。
 その印象だが、日本の大手出版社が何社か撤退してしまったようだ。主催者側の発言を鵜呑みにすると、第12回を迎え、出展規模は約2.5倍に、来場者数も約2倍に達したとか。世界25ヶ国から650社の参加を得て、ますます成長過程にある、というのだが......、実態はどうであったのかクエスチョンが残った。
 隣接会場では「国際文具・紙製品展ISOT2005」が開催されていた。こちらの方が僕にとっては刺激的だった。筆記具、紙製品、手帳、各種事務用品、デザイン用品、OAサプライなど、実に展示内容も盛り沢山であった。とくにノベルティ製品が豊富で、興味をそそられた商品もある。
 わが社でも月刊誌『清流』の定期購読者宛てに、契約更新していただいた際には、感謝の気持ちをこめて社名入りのノベルティグッズをお送りしている。これまでにも筆記具やファイル、付箋紙などをプレゼントとしてお送りしてきた。この展示会で驚いたのはその種類の多さ。同じ筆記具でも、ペン軸が消毒効果のある素材になっているものや、紙の腕時計なんてのもある。ロットにもよるが、社名を入れてもそれほどの金額にならず、もらった方も驚くこと請け合いのグッズが目立った。
 話をブックフェアに移すと、写真に映っている国連大学出版部(UNITED NATIONS UNIVERSITY PRESS)のローリ・ミシェル・ニューソムさん(中央)などとお話をした。わが社は、同大学出版部の『誰が飢えているか』
(Who's hungry ?)、『平和のつくり方』 (Volunteers Against Conflict)の2冊を翻訳出版しているので親しみがある。ここには映っていないが、マーク・ベンジャーさん(出版販売コーディネーター)とわが社の版権コーディネーターである斎藤勝義さんが同じ日に会って、よい本を紹介していただけるようにお願いした。また、この日、わが社から刊行したばかりの本を韓国に版権を売った南尚鎮(ITコンサルタント、ビジネスコーディネータ代表)にも会場内でお会いした。その本は小林薫さんの『世界の経営思想家たち――ピーター・F・ドラッカーほか三十余人』だが、韓国の出版社がなんと3社も競い合う売れっ子ぶり。結局、南尚鎮さんがコーディネートした出版社に決定した。この本で韓国にも小林フィーバーが起こることを期待する。

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