目的をもたない意志 - 書籍情報
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目的をもたない意志
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目的をもたない意志

山川方夫エッセイ集
  • 定価=本体2000+税
  • サイズ 四六判 上製 224頁
  • ISBN 978-4-86029-351-2
内容紹介

第三次「三田文学」を創刊した山川方夫、その編集長時代に、曾野綾子江藤淳坂上弘など、数々の才能を引き出し開花させたことで知られる。また自身、作家として芥川賞4回、直木賞1回ノミネートされるほどの実力者であった。ただ、残念ながら、これからの将来を嘱望された34歳のとき、交通事故により夭折した。その山川方夫の遺作エッセイ集である!!

本書には、小林信彦、石原慎太郎、江藤淳、曽野綾子、大江健三郎など同時代作家への優れた文藝評論から、ミケランジェロ・アントニオーニの「情事」、アラン・レネの「去年マリエンバートで」「尼僧ヨアンナ」などの作品に対する卓抜した映画評論、東京論、恋愛論などまで、読みどころ満載のエッセイ集である。

コメント

私が山川方夫という作家を知ったのは、一九七〇年代にはいってからで、当時、古書店には冬樹社版の『山川方夫全集』全五巻が揃いで並んでいたが、高価でなかなか手が出なかった。ようやく、端本を見つけて、まず入手したのは、ショートショート集『親しい友人たち』が収められた巻だった。

一読し、驚嘆した。今でも『待っている女』『赤い手帖』『夏の葬列』『クリスマスの贈物』などを、時折り読み返すことがあるが、その清冽で哀切な抒情に深く胸を打たれる。中編でも『愛のごとく』『街のなかの二人』『煙突』といった名作は忘れがたい。

私は、かつて村上春樹の『中国行きのスロウボート』という短編集が刊行された時、山川方夫の再来ではないかと思ったことがある。今では想像し難いかもしれないが、初期の村上春樹には透明で乾いた抒情的なマイナー作家のイメージが漂っていたのである。アドレッセンスの翳りを硬質で抽象的な言葉によって浮かび上がらせる独特の繊細な文体も、ふたりの親和性を強く感じさせた。

                                 (編者・高崎俊夫)