昔から人に何かをあげるのが大好きで、いわゆるプレゼント魔の類いに入る。
プレゼントというと大げさに聞こえるけれども、わざわざ何かを買って贈るというより、たまたま出会った、自分が気に入ったものや、食べておいしかったものなど、そういう日常的なしあわせのおすそ分けのようなことが要は大好きなのである。
おすそ分けであるなら、それは大概、食べ物が多く、誰かからたくさんいただいたものなどは、さて、これを誰と分けようかな、といつも思う。そんなときは、その時に近くにいる、それが好きそうな人にあげることが多い。
こんなふうに言うと、とても善い人のように思われるかもしれないが、僕はなんでも誰かと分かち合いたい気持ちが強い。そうしないとなんだかバチが当たりそうと思うのは、持って生まれた幼いころからの気質である。
実をいうと、一人で楽しむことが苦手というより、どちらかというと関心がないのである。で、そんな日々を送っているのだけれど、ふと、 僕からよく何かをもらう人と、そうでない人がいることに気がついた。特に差別をしているわけではないのだけれども、あ、これを誰かに、と思ったときに、顔が浮かぶ人とそうでない人がいるのは正直なところである。
何かあるたびに顔が浮かぶ人といえば、まずは両親。仕事柄おいしいものを食べる機会が、きっと人よりも多いけれども、それがおいしければおいしいほど両親の顔が浮かぶ。今度食べさせてあげたいなあと思う気持ちと、すみません、こんなにおいしいものを一人でいただいてしまって、という気持ちが半々だ。
まあ、両親というのは特別な存在だから、置いておいて、それ以外で顔が浮かぶ人となると、一言でいえば、うれしいリアクションを返してくれる人である。渡した時のリアクションではない。はい、どうぞよかったら、と渡した時に、ありがとうございます、と笑顔を見せて、一言二言、気の利いた言葉をくれる人は多いけれど、それは普通であって、それほど印象には残らない。印象に残るのは、たとえば次の日などに「昨日のおやつとてもおいしかったです」と笑顔を見せてくれる人である。要するに、あげたものがどうだったのかというリアクションをしっかりと返してくれる人。挨拶ではなくて、いわば感想である。
(後編へ続く。次回は2月15日です)