徳川夢声のくらがり二十年 - 書籍情報
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書籍詳細

徳川夢声のくらがり二十年
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徳川夢声のくらがり二十年

  • 定価=本体2500+税
  • サイズ 四六判 並製 320頁
  • ISBN 978-4-86029-342-0
内容紹介

昭和を代表するマルチ・タレントとして知られる徳川夢声が、活動弁士時代を綴った傑作メモアールである。もはや古書店でも入手困難な元本に、新たに未収録だった連載初出時の原稿を追加した完全復刻版というべきもの。
サイレント全盛期から、それに続くトーキー化の波と映画界の混乱、弁士、楽士らによるストライキの内幕など、往時の日本映画界をユーモラスに活写した回想録の決定版となっている!

コメント

濱田研吾氏による「解題」より
『くらがり二十年』は、幾度となく単行本化、文庫化されたものの、一度として全篇が収録されていない。今回の復刊では、可能なかぎりの全篇収録を目ざした。本として杜撰な編集がされてきたものの、『くらがり二十年』は結果的に、数多い夢声の著作のなかで代表作となった。「徳川夢声」の名の由来、当時の映画界で革新的だった「前説」の廃止、関東大震災の生々しい証言、震災後の新聞記者体験、映画興行主として失敗した逸話など、前半生を飾る映画説明者のキャリアを知るうえでも、本作ほどくわしい文献はない。執筆当時、夢声はナンセンス小説を好んで手がけていたこともあり、文体も特徴的で、戦後の枯れた身辺雑記とは趣きがずいぶんと異なる。『くらがり二十年』に収録された半数ほどの文章は、のちに『夢声自伝』に再録され、昭和二十六年には、開局したばかりの中部日本放送で、『くらがり二十年』をみずからラジオの連続物語として語っている。
『くらがり二十年』が、大正から戦前にかけての日本映画界を記録する、一級資料であることも無視できない。大正末期から昭和初期にかけてのサイレント映画全盛期、それに続くトーキー化の波と映画界の混乱、弁士・楽士らによるストライキの内幕などが、夢声の目線から詳細に綴られていく。当時の映画界を牽引したともいえる花形弁士の言葉は、貴重な時代の証言となった。
しかし、映画館名、映画タイトル、サイレント作品のスタッフとキャスト、同時代の説明者、楽士、映画関係者の名前など、『くらがり二十年』ほどたくさんの固有名詞が登場する本はない。『新青年』連載時より、サイレント映画の歴史を記録するつもりで、意識的に多くの固有名詞を出したとも考えられる。東京でセンセーショナルな話題を呼んだ、映画説明者、俳優らによる「ナヤマシ会」の記述などは、大正から昭和初期のモダン東京の記録、都市風俗資料として読むこともできる。評論家の海野弘は、《二、三〇年代のモダン都市の表現を再発掘するためには、『新青年』の主要作品だけでなく、その周辺の雑文、つまり、旅行記、風俗ルポ、ゴシップ、さらには広告にまで、目を向けるべきである》(『東京風景史の人々』中公文庫)と書いているが、「くらがり二十年」正続篇は、《二、三〇年代のモダン都市の表現を再発掘する》意味でも、よき道しるべとなっている。