パスキンの女たち - 書籍情報
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書籍詳細

パスキンの女たち
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パスキンの女たち

  • 定価=本体1800+税
  • サイズ 四六判 上製 224頁
  • ISBN 978-4-86029-344-4
内容紹介

著者・虫明亜呂無は、1983年に脳血栓で倒れ、闘病の末91年に亡くなったが、弊社から『女の足指と電話機』『仮面の女と愛の輪廻』と女優論を中心にした映画エッセイを2冊刊行している。所収されたエッセイが競馬新聞に連載されるなど、単行本未収録の作品ばかりだったことと、ファンが久し振りの虫明本に狂喜したこともある。NHK-TVの「BSブックレビュー」や読売、産経、日経など各新聞、雑誌等多くの媒体で絶賛された。本書はエッセイではなく、スポーツをモチーフにした"小説"だが、この小説世界でも読者を魅了すること請け合いだ!!
『オール読物』『小説新潮』などに掲載された、やはり単行本未収録作品ばかりで、珠玉の七篇を選んでいる。夭折した悲劇の天才ランナー人見絹江を主人公にした「紅茶とヒース」、日本プロ野球史に輝く伝説のピッチャー沢村栄治を妻の視点から描いた「風よりつらき」のほか、高校野球、ラグビー、スキー、絵画をモチーフに、スポーツの深淵と陰翳に富んだ愛のかたちを描いた畢生の短篇小説集である。

コメント

編者・高崎俊夫「あとがき」より

 虫明氏は、処女作『スポーツへの誘惑』以来、スポーツ評論を中心に映画、文学、舞台、音楽など幅広いジャンルで健筆を奮ったが、晩年、もっとも力を傾注していたのは小説であった。短篇小説集『シャガールの馬』(講談社)が直木賞候補になったが、その後、脳梗塞で倒れ、闘病の末肺炎で亡くなる。作家として大きな飛躍を遂げようとするまさにその時期に病魔に襲われたことは、運命の酷薄さを思わずにはいられない。
「紅茶とヒース」は、昭和三年、アムステルダムのオリンピック大会・女子八百メートルに出場し、銀メダルを獲得した伝説の天才ランナー人見絹江をモデルにした小説で、七篇の中でも、傑出した名篇である。
「風よりつらき」は『仮面の女と愛の輪廻』所収のエッセイ「女の野球」に作品成立の背景が記述されている。日米野球で全米の強豪ベーブルース、ゲーリックに一歩もひけをとらず、堂々とわたりあった豪腕ピッチャー沢村栄治を、結婚した女性の視点から描いた逸品である。
「日本少年」は、池田高校野球部監督蔦文也を主人公にしたモデル小説である。昭和四十九年、春の選抜大会に出場した池田高校は、わずか部員十一人で準優勝し一躍有名になった。その後、蔦監督は、金属バットの特性を生かした筋力トレーニングを実施し、昭和五十七年夏の甲子園大会で悲願の初優勝を果たした。虫明氏は、春夏合わせて優勝三回、準優勝二回という強豪校に育て上げた伝説の蔦監督の、人間くさい魅力をハードボイルドなタッチで見事に浮き彫りにしている。
本書は、恐らく『オリンポスの果実』の田中英光以来、長らく途絶えていたスポーツ小説というジャンルに新たな曙光をもたらした作家・虫明亜呂無の魅力を堪能していただけるものと確信している。