加登屋のメモと写真…: 2007年1月アーカイブ
加登屋のメモと写真…
2007年1月アーカイブ

小野田寛郎さん 藤森武さん 藤森武さんほか

清流出版 (2007年1月 1日 12:20)

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  • 小野田寛郎さん(右)と小野田町枝さん(左)が、原充男さん(中)を同道して、単行本の最終打ち合わせのために来社された。
  • 今回の企画趣旨は、小野田寛郎さんがこれまで講演などで話されていた中から、エッセンス部分を文章で伝えたいというもの。いわば小野田さんが物質至上・金銭至上主義に毒され、平和ボケした日本人へ遺言のつもりで残したい言葉で、文字通り「珠玉の語録集」である。
  • 書名は『魚は水 人は人の中――今だから伝えたい師小野田寛郎の言葉』にまとまった。小野田さんは、言葉遣いに鋭敏であり、素晴らしい語感とセンスの持ち主である。人生の哲学を踏まえて、このメインの書名『魚は水 人は人の中』も、自ら名付けられた。
  • 本文は右ページに小野田寛郎さんの言葉、左ページに原充男さんの解説が付く。全体構成もすべてまとまった。「未来は決めることができる」から始まり、「仲良くするには我慢がいる」「親子は鏡」「意識を変えてもらいたい」「甘えてはいけない」「不撓不屈」の六つの部分からなる。イメージとして、わが社から出ている『フジ子・ヘミングの「魂のことば」』のようなコンパクトでいながら内容の濃い本作りをしたいものだ。
  • 巻頭に「小野田寛郎年表」を設け、上段に世界の出来事と下段に小野田さんに関する個人的な出来事を対比して取り上げる。若い人々に小野田さんの人となりを知ってもらうことがまず大切である。そうした観点から、年表は不可欠である。
  • 小野田町枝さんは、本欄(2006年12月)で取り上げたように、「日本女性の会」会長に就任し、何かとお忙しい。この後、お二人は年末から恒例のブラジル牧場行き(注1)を控えているが、町枝さんの方は2月下旬には日本に帰国され、「日本女性の会」会長として国内行脚する多忙なスケジュールが待っている。
  • 寛郎さんの方も3月中旬には帰国する予定。それに合わせて刊行にこぎつける必要がある。原充男さんとわが社が、小野田ご夫妻と密に連絡を取り合って作業を進めることになった。
  • (注1)

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    小野田町枝さんの本から。ブラジルの牧場

     

     

     

     

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  • 「若い根っこの会」、「財団根っこの家の会」会長加藤日出男さん(右から二人目)が、来社された。本欄(2006年11月)でも紹介したように、加藤さんの単行本企画が着々と進みつつある。
  • 達筆な手書き原稿をすべてもらった臼井君は、その後、デザイナーと打ち合わせに入り、本文組み、合わせてタイトル、帯、目次、あとがきの編集処理等の作業に入っている。
  • タイトルは、『生涯青春 Eternal Youth――いのちをありがとう』にほぼ決定した。ここに至るまで、加藤さんは書名のタイトル案を約20以上出すなど、本作りへの情熱を見せてくれた。編集者として頭が下がる思いがする。
  • ここではプロローグの「こころ砂漠にみどりを」をご紹介したい。『にっぽんの「ちゃぶ台」は何処へ消えた?!』という表題の下、かつて一家団欒のたのしい舞台だった「ちゃぶ台」を取り上げる。その「ちゃぶ台」が失われ、現在の日本は混沌の極みにある。いじめや自殺、わが子の虐待や殺し、子の親殺し......などが相次ぎ、こころの砂漠化が加速されている。
  • こうした日本の現状を憂えることから、加藤さんの論は始まる。そのような時代だからこそ、ひとりひとりの読者に出会って、仮想の、粋な人間家族のように、「ちゃぶ台」を囲んで、心ゆくまで語りあい、歌でもうたって、元気を呼びもどしたい。加藤さんのそんな心意気と熱い思いが伝わってくる文章である。
  • 加藤さんといえば、さる11月26日(日)、川越市にある「財団法人根っこの家」の1階スカイ&シーホールで行なわれた「若い根っこの会53周年」のイベントに触れないわけにはいかない。この日、斉藤勝義さん(左)と僕は加藤さんのお招きでこのイベントに参加したのだが、満員の会場の熱気に圧倒されることがしばしばだった。
  • 全国から参集した老若男女の「若い根っこの会」会員たちが、加藤日出男会長と同じ情熱と若々しさを発揮しているのを目の当たりにして、集団組織のあり方を学んだ一日だった。加藤さんの挨拶は約1時間も続いたのに、まったく飽きさせず、その名演説ぶりに驚かされた。
  • 余興の部に入るとさらにヒートアップした。なんと加藤さんが名曲メドレーのダンスで「白鳥の湖」を舞ったのである。脚も水平以上に上がったが、御年77歳、喜寿という年齢は嘘ではないかと思ったほどである。
  •  

     

     

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  • 写真家の藤森武さん(写真)が来社された。藤森さんについてはいまさら言うまでもない。本欄(2006年9月)でも詳しくご紹介させていただいたのでそれをご参照いただきたい。
  • 今回の来社は藤森さんが撮影した故・田島隆夫さんの「日々貼」(注2)の色校正が主目的であった。田島さんは白洲正子さんが絶賛した織師だったが、余技ともいうべき書画がまた素晴らしい。田島さんの書画が、森本哲郎、車谷長吉、安岡章太郎といった売れっ子作家の単行本装画に使用されたことからもその魅力のほどは明らか。白洲正子さんとの往復書簡は、文化出版局から単行本にもなっている。
  • 田島さんは日記代わりに1日1枚、書画を描き残している。亡くなるまで15年間描き続けたものだ。都合5000枚近い書画が残されたが、自分の楽しみのためだけに描いただけに、親しかった白洲さんも現代画廊の須之内徹さんも一部しか見ていない。
  • その「日々帖」の刊行を奥様の田島道子さんから了解をとり付ける仲介をしたのが、他ならぬ藤森さんだ。あまたの出版社が望みながら果たせなかったもので、とれた時は嬉しかった。この門外不出の「日々帖」を拝み倒して拝借し、藤森さんと臼井君の二人で七百数十点まで絞り込んだ。あとはどんな本にしていくか。いい本造りをして自信をもって世に問いたいと思っている。
  • (注2)

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    田島隆夫Home Page から

     

     

     

     

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  • ガラス工芸「グラスリッツェン」を手掛ける武田佳子さん(中央)が、ご主人の北海道大学工学研究科教授の武田靖さん(左)と来社された。
  • 実は、お二人は、月刊『清流』2001年9月号に登場(注3)されている。「職人を訪ねて」シリーズの第17回目に、インタビューの名手・佐藤徹郎さんが取り上げて、お二人の人物像とグラスリッツェンについて詳しく語ってくれた。その時も、わが社の外部編集者として活躍し、僕も信頼している笹川智恵子さん(右)が強く推薦して実現した経緯がある。今回の単行本の企画についても、笹川さんが全面的に編集協力してくれる。
  • グラスリッツェンは、ガラスの表面に、ダイヤモンドペンという道具で彫刻していく技法である。透明なガラス絵が、絵画以上の色彩感を醸し出す素晴らしい芸術だ。武田さんが学んだスイス・メグロー派のグラスリッツェンは、ダイヤモンドポイント彫刻で絵画的な手法を編み出し、美しさが比類ないと言われる。そのエッセンスを実例で見せようとするのが、武田佳子さんがこの本を企画した狙いである。
  • ご主人の武田靖さんによれば、15、6世紀のヨーロッパに生まれたダイヤモンドポイント彫刻は、イタリーを経て、スイスで花を開いた。だがグラスリッツェンは、世界的に見ると、ほぼ二百年毎に勃興、衰退を繰り返す芸術だという。今は1981年に亡くなったゲルリン・メグロー夫人最後の弟子である名工・カウフマン夫人に直接師事した武田佳子さんが、グラスリッツェンの世界に名人としての参加を認められるのはほぼ間違いない。
  • (注3)

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    「職人を訪ねて」17回「彫る」の冒頭ページ

     

     

     

     

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    • カメラマンの中谷吉隆さん(左)が、来社された。昨年10月に、わが社から『神楽坂Story』を刊行したばかり。夏目漱石はじめ文人の愛した町、明治・大正浪漫と現代が溶け合う町を様々な角度から撮って、素晴らしい神楽坂案内&ストーリーになった。
    • 編集担当の古満君(中央)は、中谷さんと広島県人の同郷の誼で、作業がことのほか順調に推移したというのも頷ける。
    • 今回、中谷さんは仕事仲間と一緒に中国・貴州省を訪れた。その時のお土産としてレアものというべき紹興酒「三十年陳醸花雕」を持参され、話が弾んだ。
    • 貴州省の人々は、写真が大好きで人情にも厚く、日本から来たカメラマンというだけで厚遇される土地柄であったという。苗(ミャオ)族、ブイ族、トン族、水族など約50位の少数民族からなり、民族衣装や村の歓迎式、村道の散策を楽しんだという。また、おいしくて辛い中華料理を堪能したそうだ。

     

     

     

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  • モノアートのお二人。森角剛さん(左)と照木公子さん(右)のご夫妻。
  • 最近、結婚しないシングル女性が増えている。だが、好き好んでシングルを選んだのではなく、本音は結婚したいと思っている女性たちが結構多いのである。実際、身近でも何例か挙げられるが、熟年離婚ならぬ熟年結婚がいまや増加傾向にある。
  • 照木さんによれば、50歳を過ぎての結婚例を何人かのシングル女性に伝えると、彼女たちは一様に目を輝かせ、「どうしたらそのような良縁を得られるのか?」と真剣に尋ねられたという。さまざまな熟年結婚の実例とその手引きを示したら、かなり読者を得られるのではないか、というのが提案の趣旨である。大変結構な企画で、僕は一も二もなく賛成した。
  • 書名は、『熟年結婚――女性はいつでも適齢期』に決定した。当初、『もう負け犬とはいわせない』が最有力候補だったが、今回の話合いで、こちらの方は「帯」に謳うことになった。
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  • 梅田佳江さん(左)と大内明日香さん(右)。佳江さんは江戸弁語りの紙芝居(注4)で人気沸騰中の梅田佳声さんの娘さん。
  • 佳声さんは昨年末も恵比寿ガーデンプレイスで「猫三味線」を公演されている。この 「猫三味線」は3時間にもならんかという長編紙芝居だが、語り口調とストーリー展開、絵の斬新さもあってまったく飽きさせない。
  • この梅田佳声さんの紙芝居の至芸にべた惚れした唐沢俊一さんが、佳声さんの一代記を現在執筆中だ。わが社からいずれ刊行する予定だが、今年の目玉商品となればと思っている。
  • 大内明日香さんは、自著も数冊出し、専門学校で講師もしておられる方だが、今回は唐沢さんと親しい関係から外部スタッフとしてこの本の編集をお願いしている。
  • (注4)

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    梅田佳声さんと唐沢俊一さんの入ったページ

     

     

     

     

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  • フォト・ジャーナリストの桃井和馬さん(右から二人目)とデザイナーの野田雅也さん(右)が来社された。目的は、この3月に出版予定の桃井さんの写真集『この大地に命、与えられし者たちへ』の最終打ち合わせのため。
  • 桃井さんは第32回太陽賞受賞の気鋭の若手フォト・ジャーナリスト。現代文明を紛争や人間と自然との関わり、子ども、地球環境といったグローバルな視点からとらえ、これまで世界130か国以上の取材を続け、それらを被写体としてカメラに収めることで、その検証を続けている。
  • 出版される写真集には、それらをテーマにした130枚以上の写真が収録されている。そして、この写真集のアート・ディレクションを担当するのが野田さん。全体のレイアウトもほぼ固まり、ところどころに桃井さんの文章が入る構成も出来上がって、あとは入稿を待つばかりの状況となった。
  • 表紙に使われる写真は、桃井さんが『ナショナルジオグラフィック』誌の「写真コンテスト2006」の「人々部門」で最優秀賞をとった『絆』という作品。パキスタンの北部で川原にテントを張って暮らしている老人と子どもを撮った家族の写真で、まさに表紙にふさわしい訴求力の強い写真である。
  • 桃井さんもこの写真集の出来上がりに自信をみせ、新春、話題を呼ぶ写真集となること、間違いなしである。
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  • 12月某日、山梨県北杜市に詩人の林立人さん(前列右)を訪ねた。その日は、あいにく雨模様だった。本来だったら、林さんの庭から臨めるという富士山の眺望が見られなくて残念。その代わり、林さんの奥様(前列左)が出してくれる美味しい料理と美酒のおもてなしを受けて大感激だった。野本博君(後列左)、その後輩の高槻純君(日大藝術学部4年生で、部活は野本君出身の自動車部。当日のドライバーを頼んだ)ともども話が盛り上がり、ついつい長居をしてしまった。
  • 林立人さんには、本欄(2006年9月)でも触れたが、この世俗に染まらない哲学者のような詩人の書く言葉を少しでもよいから、本に纏めて出したいというのが僕の偽らない気持ちである。
  • いろいろな話が弾む中で、林さんと野本君が共通の知り合いの名前が出た。その元キネマ旬報社社長・竹内正年さんは、すでに数年前に他界されているが、林さんはその未亡人と未だ交流があり、その場で連絡をとった。林さんのお蔭で、野本君も竹内さんの未亡人とお話ができた。野本君は故人の思い出話をして満足そうであった。
  • この日、思いがけなかったのは、林さんが山本護さん(後列右)を呼んでくれたこと。林さんの詩集『林立人 詩《モリ》を読む』の刊行に際して、CDを作製し、その作曲とチェロ演奏を引き受けたのが山本さんである。僕はすっかりその曲が気に入り、毎日のように聞いている。山本さんは本職が牧師さん。ついでに言うと、その曲のピアノ演奏は、先の竹内正年さんのお嬢さん・竹内亜紀さんだと聞き、野本君も僕も天の配剤のようなその不思議な符合に喜んだ。
  • この日は、もう一つ話がある。林さんとわれわれは、北杜市長坂コミュニティ・ステーションで行われたNHKの「週刊ブックレビュー」公開録画に出席したのだ。児玉清さん、中江有里さんの司会で立川談四楼、諸田玲子、高見のっぽの諸氏が出演、書評し、最後に特集として佐伯泰英さんが「1000万部を超える人気作家、創作の秘密を語る」として、話をされた。
  • 後日、その録画放送をわが家のテレビで見ると、会場風景の中、何度か林さんが映っていて、山梨県北杜市の貴重な思い出になった。
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